日本酒ができるまで
2020.10.31
日本酒ができるまでには、さまざまな工程や人の手が加わり、製造の過程にある火入れの有無や貯蔵方法によって、さまざまな味わいの日本酒を楽しむことができます。お酒造りの基本的なながれを、簡単に説明します。
■玄米
酒造りに使われる米は、酒米と食用米がありますが、このうち酒米は酒づくり専用に育成され、厳選されたお米です。酒米は「心白(しんぱく)」という米粒の中心に円形の白い不透明部分があり、ここにデンプンがぎっしりと詰まって良質の麹を造ることができます。
■精米
酒の種類によって精米歩合が違います。どのくらいお米を磨くかで日本酒の味わいが違ってきます。
■洗米
白米を良質な水で糠(ぬか)や汚れを丁寧に洗います。
■蒸米/放冷
充分に水を吸わせてから蒸し上げ、適度な温度まで冷やします。
蒸した米は、麹(こうじ)づくり、酒母(しゅぼ)づくり、もろみづくりに応じた温度になるまでそれぞれ冷やします。
■麹(こうじ)づくり
麹室(こうじむろ)で麹菌を増やします。麹は低温の環境では育たないので麹室は一般的に30℃以上に保ちます。
■酒母(しゅぼ)づくり
水を入れたタンクに麹を入れ、酵母菌を加えます。その後蒸米を加えタンクの中で酵母を増殖させます。
■もろみ
酒母をもろみタンクに入れ、水、麹、蒸米を加えます。一般的には、10~15℃くらいで20日~30日間発酵させます。酒母およびもろみの中では、麹による糖化と酵母による発酵が同時に行われますが、これを並行複発酵と呼びます。
■上槽(じょうそう)
圧搾して透明な酒と酒粕とに分離します。
■酒粕
上槽で搾った後に残るのが酒粕です。甘酒や、粕漬けなどに美味しく利用されます。
■生酒(なまざけ)
搾ってから加熱していないお酒です。キリリと冷やして飲むのがおすすめです。
■滓引き(おりびき)
搾った生酒にはまだ澱が残っているため、上澄みを引き、澱と分離します。
■濾過(ろか)
滓引きしても完全に澱が取り切れないので適宜、濾過(ろ過)を行います。
■火入れ
品質を安定させるために、60度~65度に加熱してお酒を殺菌します。
■貯蔵
適度に熟成するよう、温度管理をしながらタンクや瓶で貯蔵します。
■濾過(ろか)
タンクで貯蔵したお酒は、再度ろ過を行うこともあります。
■割水
瓶詰め前に、アルコール分を調整するため水を加えるます。※原酒のように水を加えない場合もあります。
■びん詰め
通常は、びん詰めの時に火入れ殺菌をしますが、生酒のように加熱せずに詰めるときもあります。
■完成!
ラベルを貼って、美味しいお酒の完成です。