日本酒の甘辛度
2020.10.14
日本酒の味わいを表すときに「甘口・辛口」という表示をよくみかけます。
しかし、この「甘口・辛口」の違いについて正しく理解されている方は、そう多くはないのではないでしょうか。
日本酒の甘口・辛口を判断する基準は、日本酒に含まれる成分の日本酒度・酸度・アミノ酸度の数値が組み合わさることで、おおよその日本酒の味わいが決まります。いずれも、日本酒のラベルに記載されている場合がありますのでチェックしてみてください。
【日本酒度】
日本酒度とは、日本酒の甘辛を知るためのの指標です。糖分が多ければ日本酒度はマイナスになり、甘口の味わいになります。その反対に糖分が少なければプラスになり、辛口の日本酒になります。一般的にはマイナスが付く場合は甘口のお酒、+5よりも数値が上の場合は、辛口のお酒と判断できるでしょう。
+6.0以上・・・大辛口
+3.5~+5.9・・・辛口
+1.5~+3.4・・・やや辛口
-1.4~+1.4・・・普通
-1.5~-3.4・・・やや甘口
-3.5~-5.9・・・甘口
-6.0以上・・・大甘口
この数値を基準に、日本酒を試してみると、好みの日本酒が見つけやすくなります。ただし、日本酒の甘口・辛口は日本酒度だけでなく、酸度、アミノ酸度、アルコール度数によっても感じ方が変わりますので、あくまでも目安として考えてください。
【酸度】
酸度とは日本酒に含まれるコハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸などの酸の量を表します。「すっぱさ」というわけではなく、酸はお酒の「キレ」を生み出すため、日本酒度が同じ場合は酸度が高い方が辛口に感じ、低い方が甘口に感じられます。
【アミノ酸度】
日本酒には多くのアミノ酸が含まれています。アミノ酸度は日本酒の中に含まれるアミノ酸の量を表します。アミノ酸には日本酒にコクや旨味を生み出す作用があります。日本酒度が同じ場合、アミノ酸度が高いと濃厚で芳醇な甘口に、低い方が淡麗でスッキリとした辛口の味わいになります。
一口に日本酒といっても、甘口から辛口までさまざまです。普段は意識しない日本酒のラベルに注目すると、新しい発見や自分好みの日本酒に出会えるかもしれません。